ざっくり分かるファイナンスは難しい?超ざっくりとの違いと止まる章

「第4章以降は怪しいのでまた読み返します」。
石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』は数学が苦手でも読めるのか、どの章で止まるのか。BookLiveのこの声の一方で、Amazonには「数字が苦手でもスラスラ読めるのが魅力です」という声もある。会社の推薦図書で、あるいは学び直しの1冊目として手に取ろうとして、書店サイトで「超ざっくり」という似た名前の本が並んでいるのを見て、これが「新版」なのか、2007年の光文社新書で足りるのか、そもそも先に会計をやるべきなのかと迷う。
先に答えを言うと、数式は第2章から出ます。止まりやすいと言われているのは第4章「会社の値段」から第5章「投資の判断基準」にかけて。そして「新版 ざっくり分かるファイナンス」という本は存在しません。2022年に出たのは『「知識ゼロ」の人のための 超ざっくり分かるファイナンス』という別書名の四六判で、光文社新書の旧版も版元で販売が続いている。この記事は要約ではなく、買う前・読み直す前の地図。版元の目次、新旧の書誌、読者の声、著者自身が書いた次の本との関係を、出典つきで整理します。
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目次
- 難しいかの結論|数式は第2章から出る。止まりやすいのは第4章「会社の値段」から第5章「投資の判断基準」
- どんな本か|光文社新書240ページ・6章・2007年刊。Kindleは293ページ表記のリフロー、Audibleは5時間20分
- 「新版」という本はない|2022年の『超ざっくり分かるファイナンス』は四六判184ページ、旧版も版元で販売中
- 止まる章はどこか|「第3章まではそこそこ」と「数字が苦手でもスラスラ」を目次に重ねる
- 会計を先に読むべきか|第1章がBS・PL・CFを扱う目次事実と、財務3表一体理解法から進める書評
- 読み終えたら次に読む本|著者自身の位置づけと、所持の問題集は旧版準拠
- まとめ|数式は第2章から、分水嶺は第4〜5章。買い直すかは判型とKindle形式で決める
難しいかの結論|数式は第2章から出る。止まりやすいのは第4章「会社の値段」から第5章「投資の判断基準」
簿記の資格がなくても入れる入門書ですが、「数式が一切出ない本」ではありません。版元公開の目次を見ると、第2章「ファイナンス、基本のキ」に「株主資本コストの計算式」という節があり、計算式はここで初めて登場する。第3章は「将来価値の計算」「現在価値の計算」、第4章は「企業価値の計算」、第5章は「NPV法」「IRR法」「回収期間法」と、後半に行くほど計算の節が増える構成です。読者の「止まる場所」の声もこの並びと一致していて、「第3章まではそこそこ」「後半は何回か読み返さないと」という言葉が出てくる。
版元の紹介文は「挫折知らずの240ページ!」と書き、著者サイトは「これまでファイナンス入門書を読んで挫折した方に手にとって欲しい一冊です」と位置づけている。一方で、読者側からは次の両方の声が出典つきで確認できます。
- 後半で読み返しが要るという声「前半は特にわかりやすいのですが、○○法とか数式が出てくる後半は、何回か読み返さないと理解できませんでした。今もまだあやふやです。」(楽天ブックス)、「多分良書だと思う。第3章まではそこそこ理解できた気がするものの、第4章以降は怪しいのでまた読み返します。」(BookLive)
- 初読では足りないという声「会社の推薦図書として読む必要があったため、読んでみました。が、『ざっくり分かる〜』というタイトルに油断したわけではないけれど、初読では理解しきれないところが多々あった…」(BookLive)、「ファイナンスに関して素人でも読みやすい本だった。ただ概念が多いので、一度読んだだけではすべてを理解するのは難しい。」(honto)
- 逆の声「専門用語をかみ砕いて解説してくれていて、数字が苦手でもスラスラ読めるのが魅力です。」(Amazon)、「題名のとおり、ざっくりと解説されています。したがって、難しい数式やロジックは出てきません。」(Amazon)、「むすがしい数学は一切出てきません。おすすめの一冊です。」(Yahoo!ショッピング・原文ママ)
どちらが正しいかを当ブログは裁定しません。目次事実として言えるのは、計算の節が第2章に1つ、第3章以降にまとまって置かれていること。数式に強い拒否感がある人は、第3章まで読んで一度止め、第4章からは「読み返す前提」で入るくらいの構えでよさそうです。向かない人もはっきりしていて、「わかりやすい説明だが、専門用語の解説に近い。必要性の感じない私にはちょっとしんどかった。久しぶりに途中で断念。いつか再読しよう。」(読書メーター・紀伊國屋ウェブストア掲載分)という声がある。仕事や学び直しで「必要性」が先にある人向けの本だ、という受け止めです。
どんな本か|光文社新書240ページ・6章・2007年刊。Kindleは293ページ表記のリフロー、Audibleは5時間20分
書誌から確認します。著者の石野雄一氏は元銀行員で、版元の紹介文には「銀行マン時代から数学が得意ではなかった著者の転機はEXCELとの出会い」(『道具としてのファイナンス』日本実業出版社)とある。旧版刊行時の著者紹介は2007年時点のもので、その後2009年に独立してオントラックを設立した(版元プロフィール)。本人はインタビューで数字について「得意じゃないですね。苦手意識が今でもあります。だから、私が唯一自慢できるのは難しいことをわかりやすく伝えること…」と語っている(ブックスキャン)。本書は2007年4月に光文社新書として出て、2022年6月の版元プレスリリースでは「紙・電子版合計で16万部超」、Amazonの商品説明では「シリーズ累計20万部突破!」と表記されています。
| 項目 | 内容(出典) |
|---|---|
| 紙 | 光文社新書297・新書判240ページ・2007年4月17日書店発売・ISBN 978-4-334-03397-2(版元サイト)。版元サイトに掲載・販売中(2026年9月時点) |
| Kindle | Amazonの「本の長さ」表記は293ページ・7.9MB・X-Ray有効・Word Wise有効のリフロー型(文字サイズを変えられる)。電子配信は2013年11月(版元サイト) |
| 構成 | はじめに+第1章〜第6章+さいごに+参考文献+用語索引(版元目次) |
| 索引 | hontoのレビューに「新書では珍しく索引が付いている」。版元目次の末尾「用語索引」で裏付けが取れる |
| 音声版 | Audibleあり。ナレーター桜木信也・5時間20分・2022年11月4日配信・「付属資料・PDFが用意されています」(Audible) |
| 評価 | Amazon 4.2(1,131件・2026年9月時点)。星5が52%、星3が16% |
本記事の筆者が所持しているのはKindle版で、2024年2月に購入したもの(購入当時272円。価格は時期により変わります)。紙の版元表記240ページに対し、Kindleの「本の長さ」は293ページと出る。リフロー換算の表記差で、収録内容が増減しているわけではない。楽天ブックスのレビューには「ファイナンスの本というと分厚い本ばかりですが、この本は238ページでかなり薄いです。」という声があり、厚さは新書1冊分。Audibleが5時間20分なので、通勤で聞き流す入り方も選べます。オーディオブックのサービス比較は別記事で。
関連記事: オーディオブック比較|Audibleとaudiobook.jpの違いと選び方
「新版」という本はない|2022年の『超ざっくり分かるファイナンス』は四六判184ページ、旧版も版元で販売中
書店サイトで「ざっくり分かるファイナンス」を引くと、2022年の本が並んで出てくる。正式な書名は『「知識ゼロ」の人のための 超ざっくり分かるファイナンス』(光文社)で、光文社新書ではなく四六判ソフトカバーの単行本です。版元のプレスリリース(2022年6月21日)は「『ざっくり分かるファイナンス』を完全リニューアル」「新書判をベースに、最新のファイナンス研究の成果を加え、判型を変えて図版も増量したリニューアル版」と説明している。旧版が絶版になったわけではなく、2026年9月時点で光文社のサイトに掲載され販売中。Amazonの旧版ページにも「新版があります」の案内は出ていません(同じ著者の『道具としてのファイナンス』2005年版のページには出ている)。
つまり「買い直すべきか」は、内容の新旧というより、判型と電子版の形式で決める話になります。
| 比較軸 | 『ざっくり分かるファイナンス』(2007) | 『超ざっくり分かるファイナンス』(2022) |
|---|---|---|
| レーベル・判型 | 光文社新書・新書判240ページ(版元表記) | 光文社・四六判ソフト184ページ(版元表記)。光文社新書ではない |
| 発売 | 2007年4月17日(版元の書店発売日) | 2022年6月20日(版元の書店発売日) |
| 章立て | 第1章〜第6章 | 「1時間目」〜「6時間目」の授業形式(プレスリリース表記)。旧版の6章と1対1で対応 |
| Kindle | リフロー型・293ページ表記・7.9MB・X-Ray有効。スマホや6インチの端末でも文字サイズを変えて読める | 固定レイアウト・109.1MB・X-Ray無効。Amazonの注記は「ハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません」 |
| 音声版 | Audibleあり(5時間20分) | Audibleの検索結果に無し(2026年9月時点) |
| 評価 | Amazon 4.2(1,131件) | Amazon 4.1(66件) |
差が一番はっきり出るのは電子版の形式です。旧版のKindleはリフロー型で、ハイライトも検索も使える。『超ざっくり分かるファイナンス』のKindleは図版を増やした分、固定レイアウトになっていて、Amazonのレビューには「kindle版の方は、ブックマーク・アンダーラインを使えません。購入するさいは注意してください」という注意がある。図解を大きな画面で眺めたい人には向き、線を引きながら読み込みたい人や小さな端末で読む人には旧版のリフローの方が扱いやすい。端末との相性は次の記事で比較しています。
関連記事: 電子書籍リーダーおすすめ比較|KindleとKoboどっちを選ぶ?
内容の違いについては、版元の一次情報にあるのは「最新のファイナンス研究の成果を加え」「図版も増量」までで、どの項目が増えたかの一覧は公開されていない。版元の紹介文に並ぶ用語は「WACC、ROIC、CAPM、IRR、現在価値、フリーキャッシュフロー……」で、このうちROICは旧版の版元目次には無い語です(目次語としては2022年版から、という留保つき)。読者の受け止めは「図表がふんだんに使われ、重要な箇所にはマーカーがなされるなど、読みやすさが格段にアップ」(個人ブログ)という一方、「ざっくりとはあるが、途中から少し難しくなる。何回か読んで自分の知識としたい。」(BookLive)、「題名に偽りなし 知識0では厳しいかもしれないが、確かにざっくりと理解できる良書」(Amazon)と、難しさの手応えは旧版と大きくは変わらない、というのが出典から読める範囲です。
旧版の古さについて確認できたのは、楽天ブックスの「読みやすく、平易な文体で分かりやすいです。ただ作成しれた時期が古いので現在価値の計算の乗数がちょっと古いようです。」(2021年・原文ママ)という1件と、数値例が2007年時点のものである、という事実まで。本文の税率や金利の数値が現在とどう違うかは未確認なので、ここでは書きません。
止まる章はどこか|「第3章まではそこそこ」と「数字が苦手でもスラスラ」を目次に重ねる
版元公開の目次から章題と代表的な節名を抜き出し、2022年版の章題(プレスリリース表記)を並べたのが下の表です。節名は各章1〜2個に絞っています。
| 章 | 旧版の章題 | 代表的な節(版元目次) | 2022年版の対応 |
|---|---|---|---|
| 第1章 | 会計とファイナンスはどう違う? | キャッシュと利益/損益計算書の五つの利益 | 1時間目 これが「会計とファイナンスの違い」です |
| 第2章 | ファイナンス、基本のキ | 株主資本コストの計算式/WACCを認識していない経営者 | 2時間目 これが「ファイナンスの基本」です |
| 第3章 | 明日の1万円より今日の1万円――お金の時間価値 | 複利の考え方/現在価値の計算 | 3時間目 これが「お金の時間価値」です |
| 第4章 | 会社の値段 | 割引率はWACCを使う/企業価値の計算 | 4時間目 これが「企業価値」です |
| 第5章 | 投資の判断基準 | NPV法/IRR法 | 5時間目 これが「投資判断の考え方」です |
| 第6章 | お金の借り方・返し方 | レバレッジ効果/最適な資本構成とは | 6時間目 これが「お金の借り方・返し方」です |
この表に読者の声を重ねると、止まる場所は3段階に分かれます。
- 第2章で計算式が初めて出る「株主資本コストの計算式」「βの考え方」という節がここにある。「カタカナや数式が出てきて頭が痛くなるかもしれませんがその一方で図表が大変わかり易いのが特徴です。」(個人ブログ・2010年)という声は、この章あたりの読み味を指しているとみてよい。
- 第3章までは読める、という声が多い「第3章まではそこそこ理解できた気がする」(BookLive)。第3章は複利と現在価値の章で、楽天のレビューはここまでを「前半」と呼ぶ。
- 第4〜5章が分水嶺第4章「会社の値段」で企業価値の計算に入り、第5章「投資の判断基準」でNPV法・IRR法・回収期間法が並ぶ。「○○法とか数式が出てくる後半は、何回か読み返さないと」(楽天ブックス)の「後半」はこの2章です。第6章「お金の借り方・返し方」はレバレッジ・格付け・配当の章で、計算というより考え方の章に戻る。
止まったときに戻れる設計になっている点は、hontoのレビューが具体的に書いています。「理解するために前に出てきた知識が必要になる場合、『忘れてしまった場合は、○○ページに戻って復習してください』というような形で適切な参照先を示してくれているのも好感が持てます。そのような記述がない場合でも、新書では珍しく索引が付いているので」。同じ趣旨で、読書メーターには「キーワードを耳にたこができるくらい何回も繰り返したり、ちょっと間隔があくと再度用語を説明してくれたりする丁寧さには頭が下がる。」という声がある。第4章で分からなくなったら第2章の該当ページに戻る、という往復を前提にした本だと分かっていれば、「読み返し」は失敗ではなく想定内の読み方になります。Kindle旧版はリフローで検索とX-Rayが使えるので、この往復には電子版の方が向く。
会計を先に読むべきか|第1章がBS・PL・CFを扱う目次事実と、財務3表一体理解法から進める書評
目次事実から言えば、本書の第1章「会計とファイナンスはどう違う?」は、バランスシート・損益計算書・キャッシュフローの基礎を自前で扱っています。節名には「損益計算書の五つの利益」「営業活動・投資活動・財務活動によるキャッシュフロー」が並び、財務3表の語彙をゼロから拾う作りです。BookLiveには「ファイナンスを理解するにあたってアカウンティングから説明してくれて、例も多く、非常に分かりやすかった」「会計とファイナンスの違いすら分かっていない状態から読んでみたが、良い意味で『ざっくり』知ることができる本」という声があり、会計の本を挟まずに入った読者もいる。
一方で、書評の側には「会計を先に」の推奨も複数あります。東証マネ部の記事は「財務3表や決算書の理解を進めるのは、分野で言えば『会計』に当たる。しかし本書が取り扱うのは、『ファイナンス』の分野」と分野の違いを整理し、決算書の入門書の次に本書を置く。2026年8月の書評ブログは「まずは1.【新版】財務3表一体理解法でPL・BS・CFの流れをつかみ、そこから2.ざっくり分かるファイナンスへ進むと、会計と財務の距離が縮まる」と書き、同時に「会計の基礎があると読みやすいが、完璧にしてからでなくていい」とも添えている。著者自身が「会計を先に読め」と明言した資料は、今回の調べでは見つかりませんでした。
整理すると、第1章で財務3表の語彙が一通り出るので「読めない」ことはない。ただ、第1章の節が20以上(版元目次)ある密度で復習が進むため、財務3表を一度も見たことがない人は、薄い会計の本を先に1冊挟むと第1章が「復習」になる。筆者の蔵書では『増補版 財務3表一体理解法』(朝日新書・所持)がその1冊で、新版と増補改訂版の違いは別記事にまとめています。
関連記事: 財務3表一体理解法は難しい?新版と増補改訂版の違いと読む順番
会計そのものより「なぜ会計とファイナンスが別の分野なのか」を歴史から掴みたい人には、『会計の世界史』の第3部がその話です。同書の記事でも、第9章「企業価値とは何か」の先の入門書として本書を挙げています。
関連記事: 会計の世界史は難しい?文庫はマンガ版だけ、時系列が戻る3部9章
読み終えたら次に読む本|著者自身の位置づけと、所持の問題集は旧版準拠
石野雄一氏の本は複数あり、どれをどの順で読むかは著者自身が書き残しています。『増補改訂版 道具としてのファイナンス』(日本実業出版社・2022年8月・336ページ・版元表記)の「増補改訂版の発行に際して」にはこうある。「拙著『実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス』(日本経済新聞出版)が『投資するか否かの意思決定』にフォーカスしているのに対して、本書は3つの意思決定すべてをカバーし、さらに証券投資理論、資本市場、デリバティブ、経営の自由度の価値まで解説したものです。正直言いまして、ファイナンスは、本書の内容をマスターしておけば十分です」。同じPDFの「はじめに」には「この本にはほとんど数式はありません。なぜって、難しい計算はExcelに任せているからです」ともある。著者サイトでは、2025年の『いちばん役に立つファイナンス』(ソシム)を「『ざっくり分かるファイナンス』と『実況!ビジネス力養成講義ファイナンス』の間を埋める内容」と位置づけている。
著者の言葉を並べると、階段は次のようになります。「ざっくり→道具→問題集」という順番そのものを著者が明示した資料は無く、著者サイトの並びと読者の推奨から組んだものです。
- 入口: 『ざっくり分かるファイナンス』または『超ざっくり分かるファイナンス』著者サイトの言葉では「わかりやすさを追求したファイナンス入門書」。ここまでが本記事の範囲。
- 間を埋める: 『いちばん役に立つファイナンス』(ソシム・2025年・未所持・書誌のみ)著者サイトの位置づけは上記のとおり「間を埋める内容」。A5判208ページ(版元表記)。
- 投資判断に絞る: 実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス(日経BP 日本経済新聞出版・所持)著者の言葉で「『投資するか否かの意思決定』にフォーカス」した本。筆者は2021年5月にKindle版を購入している。
- 全範囲をExcelで: 増補改訂版 道具としてのファイナンス(日本実業出版社・2022年8月・未所持)2005年版(288ページ・版元表記)を17年ぶりに改訂したもので、第7章が「経営の自由度の価値評価」に差し替わっている(版元目次)。著者は「発行に際して」で、2005年版ではIRR・EV・EBITまわりの説明が不十分だったと自ら述べている。Kindle版はAmazonの注記によれば固定レイアウト相当(160.5MB・ハイライト不可)。
- 手を動かす: 道具としてのファイナンス 問題集(Kindle専売・所持)商品説明に「この本は『道具としてのファイナンス(旧版)』の問題集です」「厳選した88問には全てエクセルがついています」とあり、著者サイトも「旧版 道具としてのファイナンス問題集」と呼んでいる。つまり2022年の増補改訂版ではなく2005年版に準拠した問題集で、増補改訂版に対応した問題集は2026年9月時点で見当たらない(増補改訂版のAmazonレビューに「問題集も復刊して欲しいです」の声がある)。筆者は2020年7月にKindle版を購入したもの(購入当時1,136円。価格は時期により変わります)で、Kindleの「本の長さ」は359ページ表記・X-Ray有効。
石野氏の本から離れて本格的な教科書へ進むなら、筆者の蔵書では『コーポレートファイナンス 戦略と実践』(田中慎一・保田隆明・ダイヤモンド社・所持)が候補です。Kindleの「本の長さ」は573ページ表記・X-Ray有効で、第4章「現在価値」・第5章「資本コスト」・第6章「DCF法」と、本書の第3〜5章にあたる内容を教科書の厚さでやり直す構成。もう1冊、『How Finance Works ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座』(ダイヤモンド社・所持・Kindle428ページ表記)は図解の多い横開きで、数式より図で押さえたい人向きの1冊です。
電子で読む場合、入門書は読み放題サービスの対象になっていることもありますが、対象は時期で入れ替わる。本書が対象かどうかはここには書かず、各サービスの探し方と違いを比較記事に任せます。
関連記事: 電子書籍の読み放題サブスク比較|Kindle Unlimited・楽天マガジン・シーモアの違い
まとめ|数式は第2章から、分水嶺は第4〜5章。買い直すかは判型とKindle形式で決める
- 難しさの場所計算式は第2章「株主資本コストの計算式」で初登場。読者の「第3章まではそこそこ」「後半は何回か読み返さないと」は、第4章「会社の値段」と第5章「投資の判断基準」を指している。「○○ページに戻って」の参照と用語索引があるので、往復前提で読む本。
- 「新版」は無い2022年の『「知識ゼロ」の人のための 超ざっくり分かるファイナンス』は四六判184ページの別書名で、章は旧版と1対1対応。Kindleは固定レイアウト109.1MBでハイライト不可。旧版(新書240ページ・Kindleリフロー・Audible 5時間20分)は版元で販売中。
- 前と後ろ第1章が財務3表を自前で扱うので会計の本は必須ではないが、財務3表一体理解法から入る書評は複数ある。次は著者の言葉に従えば、実況(投資判断特化)か、道具(全範囲+Excel)。所持の問題集は2005年版準拠。
数式に身構えている人ほど、第3章まで読んで一度閉じ、第4章は「戻る前提」で開く。それだけで「難しい」の正体は、内容の難度より往復の回数の話になります。旧版で足りるかどうかは、大きな画面で図解を眺めたいか、線を引きながら小さな端末で読みたいかで決めれば十分です。
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