サイコロジーセールスはどんな本?営業の4段階と36の心理法則

「雑談が続かないし、ヒアリングもプレゼンも下手な気がする」
そんな営業職が手に取る候補の一つが、大谷侑暉氏の『サイコロジーセールス 最強の営業心理学』だ。商談のどの段階に効く本なのか、翻訳書なのか、どの形態で読めるのか。買う前に気になる3点を、版元と図書館の書誌で先に確かめておこう。
営業心理学の本を選ぶとき、まず知りたいのは「中身がどう並んでいるか」と「誰向けか」だろう。この本は商談の4段階の順に36の心理法則を並べているので、自分が止まりやすい段階から開ける。当ブログの手元にあるのはKindle版(2025年5月購入)。
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結論:営業の4段階に36の心理法則を並べた本
『サイコロジーセールス』は、営業のプロセスを4つの段階に分け、その順に36の心理法則と技術を紹介する本だ。4段階とは、ラポール獲得、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージング。ストアの内容紹介に、この骨格がはっきり書かれている。
著者は日本人で、日本語で書き下ろされた本でもある。表紙に英字の「The Psychology of Sales」が入っているが、国立国会図書館の書誌ではこれは並列タイトルの扱いで、訳者や原題の記載はない。海外の本の翻訳ではない。
版元のフォレスト出版は、本書を「本当に使える「心理学×営業」」と打ち出している。これまでの心理学と営業の本は、営業経験のほとんどない心理学者が書いたものが多い、という問題提起があり、著者はトップ営業マンで営業コンサルティングも行うセールスYouTuberだと紹介されている(版元紹介より)。
紹介文には、社会心理学・認知心理学・学習心理学・発達心理学の4分野の名前も並ぶ。心理学の理論を学ぶ本というより、営業の場面ごとに心理学の知見を当てはめていく本、と位置づけるのが近い。
書誌を表で確かめる
版元ドットコム、国立国会図書館、各ストアの表示から、買う前に知っておきたい書誌をまとめる。
| 項目 | サイコロジーセールス 最強の営業心理学 |
|---|---|
| 著者 | 大谷侑暉(1992年生) |
| 版元 | フォレスト出版 |
| 発売日 | 2023年4月21日 |
| 判型・ページ | 四六判・288ページ(版元表記) |
| 翻訳書か | 翻訳書ではない(日本語の書き下ろし。英字は並列タイトル) |
| 構成 | 営業の4段階に合わせた36の心理法則・技術 |
| 巻末 | 参考文献あり(国立国会図書館の書誌注記) |
| 電子・音声 | Kindle版・楽天Kobo版あり。AmazonにAudible版の表示あり |
| 当ブログの所持 | Kindle版(2025年5月購入) |
ネット上には、この本の版元を別の出版社、刊行年を2022年、ページ数を240ページとする紹介も見かける。版元ドットコムと国立国会図書館の書誌で確かめた限り、正しくはフォレスト出版・2023年刊・四六判288ページだ。書店や図書館で探すときは、ISBN 978-4-86680-225-1 で引くと取り違えがない。
国立国会図書館の「286p」やKindle版の「221ページ」という表示は数え方の違いなので、紙の厚さは288ページで見ておけばいい。
構成の骨格:ラポール獲得からクロージングまで
版元やストアの紹介に章タイトルの一覧は載っていないが、構成の骨格は内容紹介から読み取れる。
- 1. ラポール獲得商談の入り口で、相手と打ち解けた関係をつくる段階。
- 2. ヒアリング相手の状況や考えを聞き取る段階。
- 3. プレゼンテーション聞き取った内容をもとに提案を示す段階。
- 4. クロージング相手の決断を後押しする、商談の締めくくりの段階。
この4段階の流れに合わせて、36の心理法則と技術が置かれている。商談の順番どおりに並んでいるので、自分が止まりやすい段階から開く、という読み方がしやすい構成だ。
ストアの内容紹介の見出しは「セールスYouTuberが教える科学的に成約率を上げる営業法」。紹介文は、営業がうまくいかない人は「フォーカスが自分ばかりにあたっている」と指摘し、インサイトセールスをはじめとする世界の潮流は顧客の心を理解することにある、と位置づけている。
どの段階にどの法則が割り振られているかは、本を開いて確かめるのが早い。
「インサイトセールス」の語が気になった人には、同じ棚の別の本の記事がある。著者同士に関係はなく、語が共通するだけだ。
関連記事: 営業の科学(高橋浩一)はどんな本?目次と音声版・同著者の本
合う人・合わない人
版元とストアの紹介文は、想定読者として「売上をもっと上げたい」「営業成績を伸ばしたい」「雑談やコミュニケーションが苦手」「ヒアリングやプレゼンが下手」「若手の営業スキルを伸ばしたい」人を挙げている。これに第三者のレビューの傾向を重ねると、次のように分けられる。
- 営業経験が浅い人(合いそう)商談のどの段階でつまずいているかを整理したい人。若手の育成で、営業の流れを段階ごとに説明したい人。
- ヒアリングが苦手な人(合いそう)ブックオフオンラインのレビューには、ヒアリングが苦手だったという読者や、傾聴姿勢の技術が自分に必要だったという声がある。
- 理論を体系的に学びたい人(合わないかも)同じレビューには「即席のテクニックが大半」という受け止めもある。理論を体系的に深く学びたい人は、その点を承知で選びたい。
- 法人営業が中心の人(工夫が要る)書籍ランキングサイトのshelf-yは、個人への提案型営業を前提とした内容が多く、BtoBの法人営業への転用には工夫が必要と評している(第三者の評価)。
レビューには「行動経済学についても学べる」「営業職初心者や将来は営業職に就きたいと思っている学生に」という声もあった。楽天Koboのユーザー評価は4件で3.5(2026年10月15日時点)と、件数はまだ少ない。
ヒアリングの手前、話す前の考え方そのものを整えたい人には、話し方の定番書の記事も参考になる。
関連記事: 頭のいい人が話す前に考えていることはどんな本?目次と口コミの傾向
形態の選び方と同じテーマの本
形態は、紙の単行本、Kindle版、楽天Kobo版から選べる。Amazonの商品ページにはAudible版の表示もあり、レビューにはオーディブルで読了したという読者もいる。通勤中に耳で聞きたい人は、商品ページで形式を確かめてみるといい。
| 形態 | リンク |
|---|---|
| Kindle版(当ブログ所持) | Amazonで見る |
| 単行本(四六判288ページ) | Amazonで見る |
| 楽天Kobo版 | 楽天Koboで見る |
同じ「営業の定番書」の棚では、古典の営業書も扱っている。心理法則の前に、営業という仕事の土台を古典で押さえたい人向けだ。
関連記事: 私はどうして販売外交に成功したかは古い?版の年表と似た書名の本
電子書籍で買うなら、ストアごとのセールやクーポンを見てから選ぶ手もある。どのアプリが割引に強いかは、別の記事で比べている。
関連記事: 電子書籍のセール・クーポンが多いアプリ徹底比較|お得に買う3選
まとめ|4段階のどこでつまずくかで読む
- ラポール獲得・ヒアリング・プレゼンテーション・クロージングの4段階に合わせて、36の心理法則と技術を並べた本。
- 大谷侑暉著、フォレスト出版、2023年4月21日発売、四六判288ページ。日本語の書き下ろしで、翻訳書ではない。
- 合うのは、営業経験が浅く、商談の段階ごとにつまずきを整理したい人。法人営業中心の人は、転用に工夫が要るという第三者の評もある。
- 紙・Kindle・楽天Koboで選べ、AmazonにはAudible版の表示もある。
自分の商談が止まるのは、打ち解ける前か、聞き取りか、提案か、最後のひと押しか。その段階を一つ言葉にしてから開くと、36の法則のどこから読むかが決めやすくなる。
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