証券分析は初心者に無理か|グレアムの前に置きたい2冊

証券分析は初心者に無理か|グレアムの前に置きたい2冊

『証券分析』、買ったはいいけれど分厚さに気圧されて開けない——。
グレアムのこの古典は、バリュー投資の原点として必ず名前が挙がる一方で、「いつか読む本」として棚に積まれやすい代表格でもあります。名前の重さと、中身までの距離が釣り合っていないのです。

この記事は「証券分析は初心者に無理か」という問いに答えるものです。鍵になるのは、本の中身の難易度ではありません。同じ投資の名著でも、読み終えやすい本と積まれやすい本には構造の違いがあるということ。そこから、グレアムの前に何を置けばいいのかを考えます。

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証券分析 表紙

証券分析

ベンジャミン・グレアム。バリュー投資の原点とされる古典。筆者も2022年9月に購入した1冊。

同じ棚の読了本: 投資で一番大切な20の教え敗者のゲーム

証券分析が積まれる理由|名前の重さと中身の距離

この本は、投資本の紹介記事で必ずと言っていいほど名前が出ます。バリュー投資の原点であり、バフェットが学んだ書として語られる。ただ、多くの記事で扱いは1〜2行です。「難しいが得るものが大きい古典」。そこで終わる。

この扱われ方が、積読を生んでいると思っています。名前の権威だけが先に届いて、中身との距離が測れない。だから「いつか読む本」として買われ、そのまま棚に残る。

もうひとつ、実務的な壁があります。この本は企業の財務を評価するための理論書です。読み物として最後まで運んでくれる物語がなく、読者側に前提知識と目的意識が要る。投資の入門書を数冊読んだ程度の状態から直行すると、たいてい止まります。

同じ棚で、読み終えやすい本と積まれやすい本

比較すると分かりやすいのは、同じ投資の名著でも「読み終えた」という声の多い2冊、『敗者のゲーム』と『投資で一番大切な20の教え』です。筆者もこの2冊は実際に読了しています。

一方の証券分析は、こうした入門書を通過した人でも手前で止まりやすい。入門書を通過したからといって、古典の教科書に自動的に接続するわけではないということです。何が違うのかを次で見ます。

グレアムの前に置けた2冊|何が違ったのか

読み終えられた2冊には、共通点がありました。

  • 主張が先に来る『敗者のゲーム』は、個人投資家にとってのミスの減らし方という主題が最初にはっきり示されます。何の話をされているかを見失いません。
  • 章が独立している『投資で一番大切な20の教え』は、20の論点が分かれた構成です。1つ読んで閉じても成立するので、間が空いても復帰できます。
  • 分量が現実的特に敗者のゲームは薄い。読み切った体験そのものが、次の本への燃料になります。

逆に言えば、証券分析にはこの3つがありません。理論の体系書なので、途中から読んでも成立しにくく、独立した章として消費できず、分量も大きい。難易度というより、構造が「細切れの時間」に向いていない。現代の読書環境との相性の問題でもあります。

関連記事: バフェットの本はどれから読む?本人の大著から入らない3冊ルート

「今読む必要があるか」を先に決める

ここで問いを入れ替えます。「初心者に無理か」ではなく、「今の自分に必要か」です。

状況証券分析との距離
財務諸表を自分で読む必要がある読む理由がある。目的が具体的なぶん、途中で止まりにくい
投資の考え方の全体像を知りたい先に別の本で足りる。古典に直行する理由は薄い
「名著だから」読もうとしている積む可能性が高い。いちばん多いパターン

3行目が本音のところです。読む理由が「有名だから」しかない本は、開かれません。棚に置いておくこと自体は悪くありませんが、読まない自分を責める材料にする必要はないと思っています。

それでも証券分析に向かうなら

それでも読みたい場合の考え方です。あくまで、他の難読書で通用した方法の応用になります。

  • 読む目的を1つに絞る「全部理解する」を目標にしない。知りたい論点を1つ決めて、その周辺だけを読む。体系書は目次から入れます。
  • 解説書を先に通すグレアムの考え方を扱った本は複数あります。原典の前に地図を持つと、迷子になりにくい。
  • 読む時期を決めてから買う読む予定がないまま買うと、買った時点の満足でそこ止まり。時期を決めるだけで、開く確率が変わります。

また、読む時期を決めたら、どのアプリで買うかも一度見ておく価値があります。分厚い専門書ほど、セールやクーポンの有無で負担が変わります。

関連記事: 電子書籍のセール・クーポンが多いアプリ徹底比較|お得に買う3選

同じ「難しいと言われる名著」の攻略は、投資以外のジャンルでも構造が似ています。

関連記事: 失敗の本質は難しい?挫折せずに読むコツと現代への教訓

まとめ|無理かどうかより、今かどうか

  • 名前の権威だけが先に届く本紹介記事では1〜2行で済まされるため、中身との距離が測れないまま買われる。
  • 入門書を通っても自動接続はしない入口の本を読み終えていても、体系書の手前では止まりやすい。橋になる本が要る。
  • 読み切れた本の共通点は3つ主張が先に来る/章が独立している/分量が現実的。証券分析はこの逆。
  • 問いを入れ替える「無理か」ではなく「今の自分に必要か」。読む理由が有名さだけなら、それは積まれる。

無理かどうかではなく、今かどうか。それだけで、名著との距離はぐっと測りやすくなります。え?筆者の証券分析ですか?まだ読みきれていないので、財務諸表を読む用事ができた日に、目次から開きます。

本記事は書籍の紹介であり、投資助言ではありません。特定の投資手法や金融商品を推奨するものではなく、実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。書籍の価格は購入当時のものであり、現在の価格とは異なります。

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