話し方の戦略(千葉佳織)はどんな本?要約の前に目次と音声版2種

「日常の話し方だと思ったら、スピーチに特化した本だった」
『話し方の戦略』(千葉佳織)を調べると、こんな口コミが目に入る。商談や会議で伝わらない悩みに合う本なのか、人前で話す人向けの本なのか。この記事では要約の前に、版元の書誌と全8章の目次、紙・電子・音声版2種の違いで、買う前の判断材料をそろえる。
扱うのは書誌・目次・形態・口コミの傾向までで、話し方の技法そのものには踏み込まない。当ブログは2024年10月に『話し方の戦略』のKindle版を購入している。
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目次
話し方の戦略はどんな本か
話す目的と言葉の組み立て、声と体の使い方までを、序章と3部・全8章で順に扱う話し方の本だ。著者はスピーチライターで、話し方トレーニングの会社・株式会社カエカ代表の千葉佳織氏。
2024年4月26日にプレジデント社から出た紙の単行本は、四六判並製・352ページ。版元は本書を千葉氏の「初の著書」と紹介しており、2026年10月時点で確認できた著書はこの1冊だけ。続編や同じ著者の別の本は、今のところ見当たらない。
版元の紹介文が掲げるのは、「話し方に才能はいらない。必要なのは「戦略」だ。」というコピー。話し方の構成要素を分解し、「誰に何を伝えたいか」を定める考え方と、それを実現するためのメソッド・トレーニング法を示す本と説明されている。
著者の経歴も、版元の著者紹介から拾っておく。
- 弁論1994年札幌市生まれ。15歳から日本語のスピーチ競技「弁論」に取り組み、全国規模の大会で複数回優勝。
- DeNA慶應義塾大学を卒業後、DeNAの人事部でスピーチライティング・トレーニング業務を立ち上げた。
- カエカ2019年に株式会社カエカを設立し、話し方トレーニングサービス「kaeka」を運営。2023年の芦屋市長選ではスピーチライターを務めた。
部数は、版元の発表で紙版・電子版を合わせて5万部を突破(2025年7月)。同じ発表によると、韓国語版と中国語簡体字版が刊行され、繁体字版も制作が進んでいた。台湾の書店サイトには繁体字版『說話的戰略』が載っている。
目次の地図:序章と3部・全8章
「話し方の戦略 要約」で探している人へ。中身の要約ではなく、版元が公開している目次から全体の地図を示す。まず押さえたいのは、第1部が「原則」、第2部が「言葉」、第3部が「声と体」という3つの層に分かれている点だ。
| 部 | 章・項目(版元の目次) |
|---|---|
| 序章 | 「話し方の戦略」とは |
| 第1部 戦略の基本 | だから「伝わる」3つの原則(「話す目的」/「対象者」/「話し言葉」の意識) |
| 第2部 「言葉」の戦略 | 第1章 言語化/第2章 構成/第3章 ストーリー/第4章 ファクト/第5章 レトリック |
| 第3部 「音声・動作」の戦略 | 第6章 発声/第7章 沈黙/第8章 身体表現 |
章番号がつくのは第2部と第3部の8章で、第1部の3つの原則には章番号がない。言葉の章が5つ、声と体の章が3つという配分だ。
章題の副題も手がかりになる。第2章は「話の「順番」と「比率」」、第7章は「「沈黙」こそ最大の語り」、第8章は「信頼感を"体現"する「立ち方」「動き方」」。何を話すかだけでなく、声の出し方や立ち姿まで1冊で扱う並びだ。
要約だけで判断したい人には、本の要約サービスflierにも本書の要約がある。ただ、目次を見ると第3部の3章は声・間・動きの話で、文字の要約では伝わりにくい部分でもある。
日常会話の本か、人前で話す本か
結論から言うと、版元は日常の仕事の場面まで含めて紹介しているが、読者の受け止めは「人前で話す本」寄りに分かれている。買う前に一番確かめたいのは、この点だろう。
版元の紹介文が挙げる場面は幅広い。取引先との商談やプレゼン、上司・部下との報連相、会議、就職や転職の面接、結婚式の祝辞まで。一方で、ブックオフ公式オンラインストアのレビューには、次のような声がある。
- スピーチ寄りという声「日常の話し方だと思ったら、スピーチに特化した本だった。」(2026年2月)
- 期待との差を指摘する声「大衆や大勢の前での話し方に寄っているから、期待と違ったと感じる人はいるかも。」(2026年2月)
- 雑談は想定外という声雑談は想定しておらず、スピーチや演説、プレゼンを想定している点から、D・カーネギーの『話し方入門』のほうが合ったというレビューもある。
なぜそう受け止められるのか。目次と経歴を並べると、理由の見当はつく。第3部に発声・沈黙・身体表現の3章があり、著者は弁論の経験者でスピーチライター。人前に立つ場面を思い浮かべやすい構成だ。とはいえ、版元が「スピーチ専用」とうたっているわけではない。
| こんな悩み | 目安 |
|---|---|
| プレゼン・登壇・面接・祝辞など、人前で話す予定がある | 版元の想定場面とも、読者の受け止めとも重なる |
| 話の中身と、声や立ち方の両方を1冊で見たい | 第2部(言葉)と第3部(音声・動作)に分かれている |
| 報告や会議で、結論を短く伝えたい | 報連相・会議も版元の想定場面に入る。短く伝える型だけを知りたいなら、下の関連記事の本も候補 |
| 雑談や久しぶりに会う人との会話がしたい | 「期待と違った」という声が出ている領域。読者が比較に挙げたカーネギー『話し方入門』と並べて検討したい |
結論から短く話す型に絞った定番書なら、『1分で話せ』と続巻の違いを整理した記事がある。
関連記事: 1分で話せと1分で話せ2はどっちから?超実践編の目次とマンガ版
カーネギーの定番書を比べたいなら、『人を動かす』の版の違いをまとめた記事も参考になるはずだ。
関連記事: 人を動かすはどんな本?完全版と旧版の違いも整理
口コミの傾向
評価はおおむね高めで、ブックオフ公式オンラインストアでは67件・平均4(5段階)。星の内訳は5が24件、4が19件、3が16件、2が4件、1が0件だった(2026年10月13日時点)。
高く評価する側の声は「体系的」「網羅的」という言葉に集まる。
- 体系的という声「今まで読んだ話し方に関する本の中で、最も内容が体系的で充実した作品でした。」(BookLiveのレビュー)
- 両方を扱うという声話の内容(言葉)と見せ方(音声・動作)の両方をバランスよく扱う本は珍しかった、という書評(note、2024年6月)。
- 合わなかったという声前の節の「期待と違った」に加え、著者の会社の話がよく出てくる点が合わなかったというレビューもある(ブックオフ公式オンラインストア)。
否定的な声の多くは、内容の良し悪しより「想像していた本と違った」というずれから来ている。日常会話の本を探しているのか、人前で話す準備の本を探しているのか。そこを先に決めておけば、口コミの読み方も変わってくる。
同じ話し方・伝え方の棚で、話す前に何を考えておくかを扱う本の記事もある。
関連記事: 頭のいい人が話す前に考えていることはどんな本?目次と口コミの傾向
紙・Kindle・Kobo・音声版2種、どれで読むか
形態は5つから選べる。目を引くのは音声版で、Audibleとaudiobook.jpでナレーターが違う2つの版が配信されている。
| 形態 | 確認できた内容(2026年10月13日時点) |
|---|---|
| 紙の単行本 | 四六判並製・352ページ(プレジデント社) |
| Kindle版 | Amazonの商品ページで「本の長さ 259ページ」と表示。当ブログが持っているのはこちら |
| 楽天Kobo版 | 配信あり。発売日は紙版と同じ2024年4月26日 |
| Audible版 | ナレーターは小田島風美氏 |
| audiobook.jp版 | ナレーターは北林きく子氏、再生時間7時間43分47秒、販売開始は2024年7月23日 |
版元ページの電子書籍欄には、Kindle・Kobo のほか Reader Store・honto・紀伊國屋書店・BookLive・COCORO BOOKS も並ぶ。普段使っているストアで選べる、ということだ。
音声で選ぶなら、どちらのサービスを使うかでナレーターが変わる。聴き比べたいなら、各サービスのサンプル再生で声を確かめてから決めたい。一方、第3部は声・間・立ち方を扱う章なので、耳で聴く版と目で読む版を併用する選び方もある。
Audibleとaudiobook.jpの違い、定番書を電子でそろえるときのストアの選び方は、それぞれ別の記事にまとめている。
関連記事: オーディオブック比較|Audibleとaudiobook.jpの違いと選び方
関連記事: 電子書籍のセール・クーポンが多いアプリ徹底比較|お得に買う3選
まとめ|初の著書で全8章、音声版はナレーター違いの2種
- どんな本かカエカ代表・スピーチライターの千葉佳織氏の初の著書。プレジデント社・2024年4月・四六判352ページ。同じ著者の別の本や続編は、今のところ見当たらない。
- 目次序章と3部構成。第1部が3つの原則、第2部が言葉の5章、第3部が音声・動作の3章。
- 向く場面版元は商談・会議・面接・祝辞まで挙げるが、読者の受け止めは人前で話す本寄り。雑談の本を探しているなら目次を先に確かめたい。
- 読む形式紙・Kindle・楽天Koboに加え、音声版がAudible(小田島風美氏)とaudiobook.jp(北林きく子氏)の2種。
プレゼンや面接など、人前で話す予定が決まっている人ほど、目次の並びがそのまま使いどころの地図になる。まずは自分の悩みが第2部(言葉)と第3部(声と体)のどちらに近いかを、目次で見比べてみてほしい。

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